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「……」
紗耶香は叶を一瞥してから門の向こうへと進んだ。
「みんな、やっぱり何か思うことがあるんだね。私とは違う。ただ、がむしゃらに首を突っ込んでいる私とは」
いつの間にか霞弥は門の前に移動していた。それはアリスでさえ、感知しきれなかった速度で、瞬間移動したかの如く移動した。
左手を掲げる。
「せめて、みんなの痛みが少しでも減らされますように」
両手の人差し指にはめられた赤い石の指輪と青い石の指輪が光る。
門の一部が何かを叩きつけられたような圧に屈し、完全にひしゃげ、陥没した。
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