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「無茶苦茶ね、あの桃天使」
そう驚きの感想を述べつつ、飛鳥は門に向かっていく。右手には紫色の光が灯っている。
門に右手を触れさせる。
「透過」
命令を下す。それは絶対遵守の命令。例え天使によって作られたものであっても破れるものではない。
飛鳥の身体がまるでそこに何もないかのように門を通り抜けた。
「……みんな、腕、上げた。主人の目的、さんぶんのいち、達成」
ネルビが左手をゆっくりと振るうと浴衣の袖から何かが滑り出た。ネルビはそれを左手で受け止める。
それは紅い石がはめ込まれた黒い西洋剣。刀身には僅かに反りがあり、斬りやすくされている。
峰の部分も刃にされた刀に西洋造りの鍔と柄を付けたような代物だった。
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