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この剣こそ、涼恭の所有する城の最奥の部屋の中央に安置されていた棺と共に大事にあの部屋で保管されていた“涼恭の大切なもの”である。
そんなものをネルビが独断で持ち出すわけもなく、涼恭からの命令……というよりお願いで持ってきている。
「あの日、主人は自分の……半分以上、かけて、『魔王』……封じた。ネルビ、その時、見るだけしか……出来なかった。……次は、ネルビも、ムーみたいに……頑、張る」
黒の西洋剣を抜き身のまま抱き抱えて門の前に立つ。
「開け~……ごま」
何の感情も感じ取ることの出来ない無表情な声色で唱えた。
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