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「仕方ないわね。仕上げに入るしかないわけか」
樟葉のすぐ左の空間に蒼い魔法陣が浮かび上がった。樟葉はそれに左手を押しつける。
神殿が地鳴りを上げて、震え始める。
「『魔王』、もうすぐ貴方の力は私のものよ。だから、そのために生け贄となりなさい」
神殿の最奥へと移されたそれは自身の稼働源からさらにエネルギーを吸い取る。
エネルギー源が例え呻きを上げようが痛みに苦しもうがどんどんと吸い取っていく。
「お父様も行ってくれるかしら?」
「喜んで承ろう」
柱の影から現れた高弦は再び柱の影へと消えた。
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