最終決戦・序

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鎖の巻き付けられた柱へ歩み寄る。そして、柱に巻き付けられたそれを蹴った。 樟葉の瞳は、まるで汚物を見るような見下し、蔑んだ瞳をしていた。 「あんたも出番よ。そうね、あの桃、銀、灰の奴らを殺しなさい。そして、あんたも……──」 その言葉を聞き終えてから鎖が大きく揺れた。次の瞬間には鎖ごとそれはこの場から消えていた。 樟葉はくすりと笑う。 「あの時、私の邪魔をしてくれた──も今では私の手駒の一つ。しかも、“呪いを経た『アカシック・ゼロ』”ももうすぐ手に入る。時が近いわ……」 クスクスと堪えきれない笑みを漏らしながら樟葉は神殿の奥へと消えていった。
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