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門を越えた飛鳥の目の前に広がっていたのは真っ暗な暗闇であって、暗闇ではないものだった。
周りは漆黒に包まれ、何も見ることが出来ない。
だが、周りにいる人物らだけははっきりとその濃い紫の瞳に映っていた。
世界だけが黒く塗り潰された場所が広がっていた。
「これが黄泉の世界……?」
「いいや、ここはまだ黄泉の世界との境界面だ」
特に誰かに訊ねたわけではない疑問に答えたのはメギドと思われる人物だった。
メギドの姿に濃くモザイクをかけたような、そんな姿だった。
「メギドさん、よね?」
「獣神銀狼メギドはこの俺以外にいないからな」
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