変わった世界

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       * 「ふーん、それを私にしろと」 「出来ないわけがないだろう?」 「まあ、条件にもよるけどね」 朝城涼恭を殺した張本人アリスは桃色の髪を揺らして、今は形を変え、全く別の誰かの影と化している自身の影に目をやる。 それは酷く曖昧で儚い感覚を与え、光源が動き回っているかのように影は揺らぐ。 「全てが終わった時、俺から全てを奪えばいい。“欠片”は大して残っていないがな。お前の目的はそっちではないだろう?」 「まあね。私には充分過ぎるほどに“欠片”はあるからね。 ──いいよ。乗ってあげる」 その答えを聞いてから影はアリスのものへと戻った。
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