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「──ところでさきほどから幻術で隠れながらこちらを見ているのは誰だ?」
ディルクはそう訊ねながらその相手へとナイフを投擲する。そのナイフは何も空間がいきなり弾かれ、地面へ落ちた。
その周辺の景色が歪み、剥がれ落ちていく。
そこに黒いローブを纏った人影が現れた。
「まさかあたしの幻術が見抜かれちゃうなんてね」
「見抜く?馬鹿なことを言って笑わせてくれるな。バレバレだろう?第一、あんなもの幻術というべきほどのレベルではない」
珍しく張り合うような挑発的な姿勢で会話するディルク。背中に隠した左手でアリスに合図を送った。
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