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「……ディちゃんが、先に行けだってさ」
アリスが黒ローブに聞こえぬように気を付けながら、叶らに伝える。
それを見計らってバルドが黒い鈴を取り出し、地面に落とした。
チリンと小さく音が鳴る。
「……行くよ」
皆が頷き、一気に駆け出す。だが、黒ローブは全くそれへの反応を見せない。
まるで見えていないかのように。
「エセ幻術使い、お前に俺が本当の“幻覚”を見せてやるよ。阿鼻叫喚の果て、終末は精神崩壊の旅路だ。──さあ、踊り狂ってもらうぞ」
「それはどちらかな」
ディルクはナイフを抜いた。
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