最終決戦・序

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「我が戦いは常に大金が絡む場所、金無き場所に用はなし。大金持たぬ者に価値無し。──金無き者には最高の祝福と幸福を……」 何かの歌の歌詞のようにディルクは謳う。内容は彼の信条。彼の生きる……戦う意味。 紅き眼光がより一層深く強味を増した。 「俺が戦うのは金がいるからだ。金が絡まぬのなら戦う意味もない。どうだ?お前は俺に金を払い、勝利を得るか?」 黒ローブとの間合いを計りつつ、右へ駆ける。走りながらナイフを四本左手で投擲。 黒ローブはそれを再び弾き、ディルク目がけ走りだす。 「私が勝つに決まってるのに、勝利を買うとでも?」 「──ならば、お前に価値はないな」 ディルクは突然立ち止まった。
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