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「木霊せよ阿鼻叫喚『悲嘆の合唱(オーケストラ)』!」
眼光がさらにキツくなり、黒ローブを射抜かんとする。
「そんなただの上級幻術、あたしに効くとでも思って──」
「ただの上級幻術など、使う価値がない。俺が使うものには全て価値が確かに存在していて、俺に利益をもたらすものだけだ」
黒ローブはディルクの言葉を聞くことなく、すかさず両目を閉じた。そのまま地面に膝をつく。
幾ら対処法を知っていようと間に合わなければ意味はない。
「擦っただけか。まあいい。舞い上がれ幻惑の黒翼『ダーク・ウィング』」
黒い羽が舞い散った。
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