最終決戦・序

32/72
前へ
/1156ページ
次へ
「木霊せよ阿鼻叫喚『悲嘆の合唱(オーケストラ)』!」 眼光がさらにキツくなり、黒ローブを射抜かんとする。 「そんなただの上級幻術、あたしに効くとでも思って──」 「ただの上級幻術など、使う価値がない。俺が使うものには全て価値が確かに存在していて、俺に利益をもたらすものだけだ」 黒ローブはディルクの言葉を聞くことなく、すかさず両目を閉じた。そのまま地面に膝をつく。 幾ら対処法を知っていようと間に合わなければ意味はない。 「擦っただけか。まあいい。舞い上がれ幻惑の黒翼『ダーク・ウィング』」 黒い羽が舞い散った。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加