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「だ……から、舐、め、る……なあぁっ!!」
黒ローブが怒号を上げ、近くの誰もいない空間に手刀をねじ込む。
「な──なぜ、場所が……」
その空間が歪み、左胸に黒ローブの腕を突き立てられたディルクが現れた。
ゴポッと口から血を吐き出し、突かれた左胸部からはとめどなく血が溢れている。
「油断し過ぎなのよ。それにたまたま幻術が成功したからって調子に乗っちゃったのがいけないんだよ」
「く……、そ……」
ディルクから腕を抜き、血を払い落とす。
「じゃあね、赤目くん」
「──それは、いったい誰に言っているんだ?」
黒ローブの後方から声があった。
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