最終決戦・序

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そして、唱えた。 「──過去は変わらぬ。 ──未来は選べぬ。 ──刻は動かない。 ──そこには後悔と絶望以外在りはしない。 ──故に人は渇望する。 ──来ぬと理解しつつも待ち焦がれる。 ──幻想(ユメ)と知りつつ浸り、溺れる。 ──そこに現実は存在しない。 ──全てがそれを否定しているのだから……」 ここで黒ローブは全てを悟った。悟ってしまった。 もう自身に未来(サキ)がないことを。 「永久の悪夢(シアワセ)に呑まれよ『愚かな幸夢』」 いきなり目の前に現れたディルクに黒ローブは頭を右手で掴まれた。 もう二度と黒ローブは鼓動どころか、動くことはなかった。
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