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ナイフを回収し終えたディルクは一瞬ではあるが一息吐く。
「では、依頼主らを追うか。──いや、ここはこっちだな」
黒ローブを倒し、ディルクは叶らが進んでいった方向へと行こうとしたが、その方向から九十度ほど視線をずらし、身体もそちらへと向けた。
(集団戦で幻術はあまり意味がないだろう。あいつらならば見抜くことも無理なわけではない。ならば──)
「俺は俺なりの方法で依頼を達成させる」
幻術でカモフラージュとして周りに霧を纏い、そのまま前進する。
暫くすると完全に姿は見えなくなった。
「“ユメ”でなければいいがな」
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