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「あっ、が……ぐ」
黒ローブが苦しそうに顔を歪ませる。必死にバルドの右手を外そうとするが、力が強過ぎて離れる気配がない。
「初めから全力でしちまうとな、殺さなくていい奴らまで殺しちまうし、何より俺が楽しめねェ。ディルクが力に制限を掛ければ、それだけスリルが増し、未来に取っておく獲物も見付かるっつって教えてくれた。あいつの言うことは大概楽しいし、正しい。
それにそれだけ得があんなら、するに決まってんだろ?」
「理解、不能……だね。ホントに、人間か……?」
「あ?何言ってんだ?」
さらに右手に力を込める。ゴキリと鈍い音が鳴った。
「人外がどうしたってんだ?」
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