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その頃、叶らは因縁深い相手と対面していた。
「……お祖父様」
「久しいのう、叶よ」
その人物とは涼恭と叶の祖父、朝城高弦であった。
剣呑な雰囲気に入る直前に叶の肩に誰かの手が乗せられた。
叶は振り返る。
「深矢、何?」
「ここは俺に格好付けさせてほしいなって思ってな」
「童(わっぱ)、儂の相手をしようと言うのか?」
「まあ、そうなるわな。爺さんよぉ」
高弦と視線を激突させつつ、深矢は叶から手を放し、腰に差したツヴァイハンマーに手をあてがった。
深矢は右足を引き、すぐさま高弦目がけ跳躍した。
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