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「させぬ」
ツヴァイハンマーとの均衡を半ば無理矢理崩し、高弦は駆け出した叶らに飛び掛かろうとするが、
「む」
「行かせないよ」
霞弥の放った火球が足元を穿ち、爆散させ、高弦の歩みを止めさせる。さらに数個高弦目がけ放ち、時間稼ぎと共に、高弦の位置を変えさせる。
叶らが追い付けないほど距離を開けてから霞弥は火球の連射をやめた。
「爺さん、今の避けて叶を追えたろ?」
「知らん。儂の目的は確実に己らの戦力を削ぐこと。半分はすでに終わっておる」
『風神』に小型の竜巻を、『雷神』に紫電を纏わせ、高弦は蒼い瞳で深矢らと相対した。
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