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「童共めが……!」
ドッと殺気と魔力の混ぜ合わされたものが噴き出す。
それに当てられ、怖気付いてしまうということはないが、少なからず恐怖は心に生まれる。
特にたった今、武器と最強の技を使い果たし終えた深矢にとっては絶体絶命な状況に近しい。
(あの状態のツヴァイハンマーなら、最低でも十分は置いておかないと使い物にならない、か。今は使っても大した威力にはなんねえだろ。なら──)
唐突に深矢は身を低くし、左側へと跳んだ。そのまま間合いを取りながら数回跳躍し、高弦から十数メートル離れた場所を走って回る。
タイミングを計っているのだ。
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