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「ただね、兄さんは僕らに、ここに答えがあるって言ったんだ。ここにそれはどうやらないみたいだ。
なら、ここに用はない。だから、僕らはこの奥に行かなきゃならない。
叔母さんは、邪魔なんだ。退いてよ」
さらりとそう言い放つ叶の瞳に感情はない。ただ、邪魔だと一言告げて、叶は右の蒼剣の切っ先を樟葉へ向けた。
樟葉はそんな叶の姿を見て、小さく笑みを浮かべた。
「ははは、私が邪魔ね。流石は私が現世へ顕現するための器に選んだだけはあるわ。──けど、その物言いは気に入らないわ」
樟葉も蒼剣の切っ先を叶へ向けた。
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