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機械的音声にも関わらず、仮面の男は叶を嘲るように、くくく、と笑いを上げた。
『勝った先、か。ならば、負けた先にあるものをみせてやろう。死という名の敗北をなっ』
仮面の男の勢いが上がった。もちろん行動速度もそれに伴い増した。
「負けるつもりなんてない!」
『そんなことは当たり前だ。ここは戦場なんだぞ?頭でも狂っているのか?』
えらく挑発的な物言いだが、叶は決して釣られず乗らない。
そこに、やはり前回よりも断然に饒舌な仮面の男が口を開いた。
『負けるつもりなら、まずここに立ちはしない』
それは紛れもない真実でもあった。
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