変わっていく『スベテ』

3/24

23624人が本棚に入れています
本棚に追加
/1156ページ
       * 赤い空に浮かぶ黒い月。それはほんのりと白い地面とそこに咲く青い花を照らす。 そこは黄泉(ヨミ)と呼ばれる世界『世界の果ての世界』。 『世界の果ての世界』にある白い神殿。その中で禍々しい威圧感を放つ黒い巨体が開けた場所に佇んでいた。 鎧のようにゴツゴツした黒い鱗。鋼のような鈍い光を放つ漆黒の翼。がっしりとした四肢とそれに支えられる同じく黒い体躯。そして、黒光りする太い尾。 今にも咆哮を上げそうな体勢のまま、まるで置物のように動かないそれこそが涼恭が追い求めていた『魔王』の本体だった。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加