最終決戦・追

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「玩具!」 「──御意」 飛鳥と鎖の拳を阻みに、樟葉との間に涼恭姿の男が飛び込んだ。叶との戦闘を無理矢理振り払ってきた様子で、叶がこちらへと追い掛けてきている姿が確認出来る。 ──涼恭の姿をした敵。だが、邪魔をするのなら倒さなくちゃならない。……でも、私は── “そのまま叩き込め!” 「──」 どこからか、そんな声がしたような気がした。ちらりと目に入った影は大きく揺れている。 決断する勇気が湧いてきた。もちろん躊躇はしてしまう。 ──けど、涼恭ならこのくらい平気なはず。 「はっ!」 鎖の拳を力一杯に涼恭姿に叩き込んだ。
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