最終決戦・追

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「ふっ」 氷刀二本を身体の前で十字に交差させ、鎖の拳を受け止める。ギシギシと軋む金属の音がする。 叶の姿がまだ遠くにあることを確認してから涼恭姿は口を開く。 「この姿ならは、少しは手を抜かざるを得なくなると思っていたのだがな」 「……これでも、十分、抜いてるわよ。あんたが、弱い、んじゃないっ?」 「雪月華」 技名が耳に届くと同時に飛鳥は鎖を繰り、命令を伝わらせる。 自身と涼恭姿との間に幾重にも鎖を張り巡らせ、魔力を通わし、壁を作り出す。 放たれた冷気を纏う斬撃を受け切り、さらに鎖へ命令を下した。
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