最終決戦・追

60/145
前へ
/1156ページ
次へ
飛鳥の視界全てが闇に呑み込まれた。もちろん『紫色の鳳祭』は半ば無理矢理外させられ、虚空を打った。 ちっ、と舌打ちを一つ吐き、飛鳥は槍や鎖の拳を構えたまま、辺りを見回す。 やはり周りは闇一色で、ただ一つ色があるのは自身だけ。 とは言ったものの、闇にほとんど塗り潰され、白黒よりも原始的な世界。色すら存在しない世界がそこに広がっていた。 涼恭姿の声が闇の中で響く。 『先に我が主人の新たなる器となるこの身の半身を討たせてもらう。優先度の高い者から狙うように言われているからな。悪く思うな』 それっきり声は聞こえなかった。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加