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ダラリと下がった頭からは何の反応も伺えない。ただ、力尽きているということがわかるだけ。
「……ぅ……ッ……ァ……」
「ふーん。もうまともに話せないほど、生命力を吸われてるんだ。それでも死なないだなんて、流石は吸血鬼の姫君ね」
時折漏らす呻き声にも飽きてきた樟葉は反応があるかどうか適当な話を振るも全てが空振りに終わる。
実際、サリアに余力など残っていない。しかし、確固たる“それ”があるから、折れることはない。
「涼恭、殺しちゃってもいいんだけどなぁ~。どうしようかしら」
いきなりサリアは動き、樟葉を睨み付けた。
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