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「──どこだっ」
叶を見失った涼恭姿の左脇腹に焼き付けるような激しい痛みが。
蒼い光を放つ蒼剣が脇腹に突き立てられていた。
左の氷刀で薙ぎ払おうとするが、氷刀が当たる直前に叶の姿はその場から切り離され、別の場所に繋がれる。
涼恭姿はよろめき、氷刀を地面に杖代わりにして転倒を避け、黒い瞳で叶を睨んだ。
「それが『アカシック・ゼロ』か。知識と現実ではやはり差異は大きいな。何事も試してみなければわからないことがある。
この結影──朝城涼恭という男は、よくもまあ、そこまでの力を易々と手放したのか理解しかねる」
嘲るように涼恭姿は笑った。
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