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「涼恭のことだけは気になるんだ。やっぱり涼恭は大切なんだぁ、ふふふ。馬鹿みたい」
「……」
サリアは何も答えない。否、何も言えない。もう何かを言う力も残っていないのだ。
だが、今のサリアを支える確固たるもの……涼恭への想いを軸にして、サリアは自身を保っていた。
「ふ、ん……、覚え……てなさい。涼、恭、が……そう簡単、に……屈する……わけ、ない、んだから。二人で……貴方……なんか、倒す、んだから……ッ」
これが今のサリアに出来る精一杯の虚勢。最大限に作れるハリボテ。そして、『二人で』の部分は生きること、生を未だに諦めてないことを示していた。
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