最終決戦・追

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「……元より他者に頼ろうとは思っておらん」 ちゃき、と紗耶香は柄に右手を添え、腰を落として左足を引いた。 鋭く瞳が尖り、キツく樟葉らを見据えた。 「例え見目形が涼恭様であろうと、あれを倒すことが涼恭様の望みというのなら、私はそれを全うするまでです」 楓はそこから一歩も動かずに、キツく両手を握り合わせて樟葉らを見据えた。 「その身体を選んだ意味が半分なくなったわね」 「この姿ならば、少しは動揺するだろうという目論見だったんだがな」 それぞれの手の内に蒼剣と氷刀が現われた。 しかし、ここで唐突にオルゴールの音が辺りに響き始めた。
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