最終決戦・追

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「──確かに、この姿に動揺しないとは思わなかったな……」 涼恭姿はポツリと呟き、氷刀を両手に構えて走りだした。予備動作なしのいきなりな行動だったので、叶らや樟葉すら対応に遅れた。 刃が肉を斬り裂き、貫く音が“二つ”した。 「覚悟を決めさせていたのに、済まないな──っぐぅ」 涼恭姿は自身の左胸部に氷刀一本を貫通するほど突き刺していた。 そして、もう一本は── 「私、を、裏切る、の──?」 樟葉の腹部に深々と突き立てていた。氷刀には薄らと黒と白の魔力が膜のように纏われている。
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