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「ふーん。まあ、どうでもいいけど」
そう言い捨ててから、樟葉は柱の影に感じる存在へと視線を向ける。
そこには黒いローブに黒い線の入った白い仮面の男が一人いた。
「まだ対抗してくるのね。流石は私が苛め抜いていただけはあるわね」
「…………」
だが、黒ローブは何も答えない。ただ、微かにちらりと顔を『魔王』へと……いや、サリアへと向けただけだった。
サリアもそれに無理して笑顔を作って返した。
「せいぜい抗ってなさい。次は従順な駒として使ってあげる。今は指をくわえて見てなさい」
樟葉は厭に笑った。
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