最終決戦・追

88/145
前へ
/1156ページ
次へ
歪んだ空間から“それ”はゆっくりと現れた。 まずは空間を裂き、押し開くように腕が現れ、その後に足。そして、首、胴体と現れ、最後に翼と尾が現れた。 『Gruaaaaaaaaa──────!!』 神殿自体を軋ませ、揺らすほどの咆哮を上げる。 それには確かな魔力や衝撃波も混じっていて、涼恭の出現に未だ戸惑っていた飛鳥らを打ち、壁に叩きつけた。 「『魔王』……」 光沢のある黒い鱗に包まれた四肢。同じく光沢のある黒い鱗だが、身体を守るためにゴツく武骨に変形し、刺々しい身体を包む鱗。 翼や尻尾も同じくで、高弦が一度なった『黒龍』の姿によく似ていた。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加