最終決戦・追

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「わかってる!Gaaaaaaa────!!」 メギドが咆哮と共に駆け出す。その瞬間メギドの姿が変わった。 雄々しく揺れる銀の毛。刺し殺すように鋭い銀の眼光。逞しい四肢に風にたなびく銀の尾。 人より遥かに巨大な銀狼が『魔王』へと駆けていた。 「うんしょ、と」 ネルビがその銀狼の背に飛び乗る。銀の中に灰の髪が揺れた。 「ネルビ、ちょっと、ホントの姿になる」 灰の髪の周囲で小さく光が起こる。次の瞬間、銀狼よりさらに大きな翼が開いた。それは翼手目特有の飛膜の黒い翼だった。 銀狼が強く地面を蹴った瞬間、翼が羽ばたく。 銀狼が飛んだ。
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