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宙に浮いていた大剣もゆっくりと地面へと降下していき、最後はコンクリートの床に転がった。
叶はははは、と渇いた笑いを漏らす。
「スペックは高くても、使用者がこれじゃあ、宝の持ち腐れだね……ハハ、ハ、ハハハ」
『アカシック・ゼロ』を解き、瞳をいつもの黒へと戻した。魔力も常に発している程度に納まる。
今し方までの叶とはどこかが違う……いつも通りの叶だった。
「ダメだね、ホント。僕はこんなにも弱いのに」
「自分を卑下することはないぞ?お前は充分強い」
「それは普通の四大貴族から見たらの話だよね?強いか弱いかの話だったら、紗耶香から見てで話してよ」
蒼剣を消して何かを訴えるように言った。
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