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「む……そ、それはだな……」
目を泳がしつつ、吃って誤魔化すが、途中で意を決した様子で叶に向き直った。
「……そう、だな。私から言わせてもらえば、お前はまだ弱い」
確かに事実だと言わんばかりの声色ではっきりと告げた。
叶もそれに言い返すつもりはないらしく、さらに質問を続ける。
「なら、兄さんと比べるとどうなる?」
「あいつはもうほとんど完成されている。私でさえ比べものにならないが、あえて言うならば、本気なら片手で瞬殺されるほどの差がある。
本気で戦っていた私ですら、遊ばれていたからな」
紗耶香は目を瞑り、思い出すように長刀を一度振るってから、静かに長刀を納刀した。
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