光を纏う悪魔

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涼恭とサリアが姿を消してから、四週間ほど時間が経過していた。 あれからは特に何もなく、平穏な生活が続いていた。 いや、“何もない”生活がそこに漂っていた。 だが、 「はあぁっ!」 そんな停滞した世界の中でそれに対抗するように、足掻くように、無理矢理世界を押し進めていた。 黒髪黒目の少年……朝城叶は辺りを埋め尽くす異形の内の一体を斬り裂き、また次の一体を屠る。 叶の振るう蒼剣は異形……魔物と呼ばれる存在の血で紅く染まっていた。 「まだだ。まだ遠く兄さんに及ばない」 ポツリと漏らして、また紅い蒼剣を振るい、さらに剣を血で染める。
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