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「なるほどな……」
そしてポツリと漏らす。漸く納得出来た。
やっぱり自分は謝るためだけに未来を捨てるような真似は出来ないんだ。俺はただ、自分が見たいもの、大切なものを守りたかっただけなんだ。
──と。だから、涼恭という一部分が抜けているのが堪らなく嫌なんだ。なんだ、俺はこんなにも楽しみながらみんなが好きだったのか。
なぜか嬉しくなってきた深矢に轟が話し掛ける。
「すまんが、今日の夏祭り、お前達とは一緒に行けない」
「お前、空気読めよ!この雰囲気でそれ言うか、普通」
「皐月との約束なんでな」
皐月とは隣のクラスに所属する轟の彼女である。
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