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オルゴールの音が頭に響く。
どうやらこのオルゴールの音が聞こえている内だけは、俺は俺でいられるようだ。
なら、オルゴールが聞こえている間に俺に出来ることをしておくだけだ。
一歩歩く度に頭をトンカチで殴られたような酷く鈍い痛みが奔る。
狂ってしまいそうになるほどに痛む。
このまま歩き続ければ、散々苦しんだあとに死ねるかもしれない。……人ならば。
だが、人でない俺には全く関係ない。
自分に鞭を打って全てを推し進める。
立ち止まっている暇などない。
微かにだが、どこからか祭り囃子が聞こえた。
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