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暫くしたところで──
「おっまたせー!」
「五月蝿いことこの上ないわね」
「それもお祭りっていうものの一部だって」
「そんなものなの?」
「そんなもんだよ」
飛鳥と霞弥が珍しく、楽しく談笑しながらやってきた。
その姿に深矢は言葉を失ってしまう。
「もしかして見惚れちゃった?」
「う~ん……見惚れたな」
そう別段恥じらいもない様子で深矢は答える。
飛鳥は黒い布地に水に移る波紋のような絵柄の浴衣、霞弥は色とりどりの金魚が泳ぐ白い浴衣をそれぞれ着ている。
(……こりゃあ、見惚れないほうがどうかしてるぞ)
そう思えるほど、二人は似合っていた。
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