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「おお、べっぴんな姉ちゃん。聞いてくれるのか?」
激しくしょぼくれた様子で店主は涙ぐんだ瞳を紗耶香へと向けた。
「あんたくらいべっぴんな女の子を二人連れた軽そうな男がな、この『十回七百円』のコース一回で五十二個も景品持っていきやがったんだ」
「それは運がないな」
「おじさん、その軽そうな男って髪の毛微妙に跳ねさせてて、その連れの女子二人に何か言われまくってなかった?」
会話の途中、叶がいきなり店主に問い掛けた。
店主はああ、と頷く。
「あれは確実に尻に敷かれてる様子だった」
その返答を聞いて、叶はまたか、と吐息吐いた。
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