夏と休みと特訓と……

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「さて、我が身成りえるかどうか確かめさせてもらうぞ」 不可解な言葉と共に仮面の男が氷の刀を振りかぶり、駆け出した。 目標は仮面の男を見据えていた叶、ただ一人。 「雪月華」 横一文字に一線。避けることなど容易い。 だが、何かが叶の脳内で引っ掛かる。片隅で僅かに感じる程度だが、叶はそれに従い、大きく後方に跳んで回避運動を取る。 それは正解だった。 「ッ──!」 浴衣の胸元に横へと切り込みが入り、そこから見える肌から鮮血が流れ出た。 もしも後ろへ跳ばなければどうなっていたか。言わずとも知れている。 おそらく身体が二つに別れていただろう。
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