夏と休みと特訓と……

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叶は傷口をちらりと見てからギュッと蒼剣を握り直す。生憎にも周りに人がいなかったことに感謝する。 でなければ、叶の周囲は、それはもうショッキングな光景になっていたことだろう。 「ふっ」 仮面の男の右から紗耶香が強襲する。即座に長刀が鞘から解き放たれ、人外並の速度で男を襲う。 だが、仮面の男はそれをゆうに越えた速度で反応し、氷刀で弾いた。 紗耶香はそれに唖然とする間もなく仮面の男に蹴り飛ばされ、叶の近くでなんとか体勢を立て直した。 「ギリギリ及第点といったところか」 刀を振るう。小さな氷の刃が幾つも叶ら目がけて放たれた。
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