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「我、電光を以てして雷(イカヅチ)とならん『雷電』」
早口で唱えられた短い一小節。言葉通り黄色い閃光を放ち、その場から掻き消えた。
さらに仮面の男を囲んでいた叶ら三人の身体に軽度ながら痺れが奔り、動きを遅らせる。
その隙に気配を消し、三人の気配を感知出来る範囲内にいるにも関わらず、三人に居場所を悟らせないようにする。
「まずはあいつからだ」
そう一言叶らの耳に届いたが、どこから響いたのか一切わからず、場所は掴めない。
仮面の男の視界に目当ての若干茶味掛かった髪の浴衣を着た少女が入る。
口端がにやりと吊り上がった。
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