夏と休みと特訓と……

36/81
前へ
/1156ページ
次へ
「永久より伝わりし雷神よ。裁きの雷槍用い、彼の敵を穿たん──『天雷槍』」 高速で屋台上を移動する仮面の男の右手に身体中を走る雷が収束する。 霞弥が仮面の男の接近に気付いた様子で即座に大小様々な『火弓』を射てるだけ射ってくる。 だが、それではもう遅い。遅過ぎた。 「四大貴族の血筋以外は殺すにも値しない」 『火弓』の嵐を縫うように掻い潜り、完全に霞弥の懐へと入り込む。完全な後衛タイプである霞弥に対抗手段は障壁を張る程度のことしか残されていない。 仮面の男の右拳が霞弥の腹部に突き刺さった。
/1156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23624人が本棚に入れています
本棚に追加