夏と休みと特訓と……

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「雷の綻び。雪の紡ぎだす旋律に調え、雪華纏い、雷光の光司らんっ『電光雪華』!!」 『──ッ!?』 周囲が仮面の男を中心に凍てついた。地面が、空が、空間そのものが凍り付いていく。 瞬間、世界が電撃の走り回る白銀の氷へと豹変した。凍える風が吹き荒び、その風を刈り取るような稲妻が辺りを駆け回る。 「凍てついた我が心が内にようこそ。──その礼に、雷撃に呑まれ、死ね」 ボロボロになった右腕を振るう。その動きに合わせて、氷のつぶてや雷の矢がアリスや叶に飛ばされる。 「死ね、か」 攻撃の嵐の中、アリスのそんな言葉が響く。 「簡単に死ねるんだったら、苦労しないよ」 苦笑を浮かべ、アリスはアロンダイドを振った。
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