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仮面の男が身構える。が──
「狼牙ァッ!」
メギドは空間をすくい上げるように下から上に振り上げる。
仮面の男の足元から銀色の牙のような刃が突き出す。ギリギリのところで仮面の男は身体を反らし、牙を避けた。
「手加減はしねぇ。俺は絶対に手加減などしない。俺はいつでも本気だ」
口頭を吊り上げて笑う。踏み締めた地面はガツと音を立てて陥没し、踏み躙ることで砕け散る。
人とはまた違う何かを帯びた威圧感のある銀色の魔力。どこかで感じたことのあるような凄味のある鋭さ。
「さあ、俺に殺られたいならかかってきなっ!」
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