夏と休みと特訓と……

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仮面の男が身構える。が── 「狼牙ァッ!」 メギドは空間をすくい上げるように下から上に振り上げる。 仮面の男の足元から銀色の牙のような刃が突き出す。ギリギリのところで仮面の男は身体を反らし、牙を避けた。 「手加減はしねぇ。俺は絶対に手加減などしない。俺はいつでも本気だ」 口頭を吊り上げて笑う。踏み締めた地面はガツと音を立てて陥没し、踏み躙ることで砕け散る。 人とはまた違う何かを帯びた威圧感のある銀色の魔力。どこかで感じたことのあるような凄味のある鋭さ。 「さあ、俺に殺られたいならかかってきなっ!」
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