夏と休みと特訓と……

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「今、お前を敵に回す意味はない。駒に従う駒よ」 仮面の男の姿が擦れていく。最後に仮面が残り、仮面は地面に落ちた。 メギドは興味をなくしたようにアリスや叶らのいる方向に振り返る。未だ、魔力は噴き出したままだ。 「お前らはどうするんだ?」 「戦う相手がいなくなったんだ。戦う意味はないよ」 真っ先に答えたのは叶。何か直視出来ないものを見たかのように、叶はメギドらから視線を逸らした。 「俺ァ、んなふうに魔力を噴き出させるヤツと戦いたいんだがよォ──」 「オオカミくん。キミと戦うのは涼ちゃんと戦う時だけだよ」 「依頼主がこれじゃあ仕方ねェ」 バルドはやれやれとかぶりを振るい、大剣をしまった。
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