脱走

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俺達は いつも 白く粗末な服を着せられていた だが気付けば 白から赤の服に それが血だと気付いたころには もう皮膚には いつも「汚れ」がついていた ********** 「───もお、やだよぉ、そ、らぁッヒックうわああん」 妹の青はいつも泣いていた 嫌だ痛いと声が枯れるまで叫びながら 「─駄目だよ、静かにしないとみつかるよ?」 「ヒック、だってえ」 「あっち行こう?大丈夫だから」 走れる?と聞いたが走らなくては見つかってしまう あの“大人”達に だから 俺達はがむしゃらに走った 逃げても逃げても 何処にも辿り着かないけど、それでもここ以外だったら何処でもいい “痛い”よりも今は走る他無かった だ け ど 研究員A「────居たぞ!!!」 研究員B「──行けっ!あそこだ!!!」 「────!!!!!」 「─うわああああああああ!!!!」 もう俺達の足はもうボロボロで疲れはてていた †
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