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中学3年の1学期の終わり。
窓を開けても風も入ってこないうだる暑さに、その少年は『今日の部活は死にそうや』とばかり考えていたHRでその紙は配られた。
その紙の内容に前の席から私語の小波が教室に広がっていく。
窓際の列、後ろから2番目の席の男子生徒が、その紙を見ながら後ろの少年に話しはじめた。
「なあ、学。お前バスケのスポーツ推薦の話あんねやろ?ええなぁ、受験なしかよ」
「別に。スポーツ推薦なんか受ける気なんかサラサラないけど。バスケは中学で辞める気やし、男子校なんかありえへんし」
それが、その少年のこの時の本音だった。
その選択が、彼の人生の初めての大きな分岐点とは、15才の少年には、想像出来ていなかった。
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