第一章

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ジリリリリ―ー・・・        ジリリリリリリ......  目覚ましがが鳴る いつもの様に。   俺は重い身体をベッドからおこし、    目覚まし時計を止める。   朝。ここで俺は「小鳥のさえずりが響く清々しい朝」とかなんとか言ったらいいのかもしれないが、残念ながら俺はそんな爽やかなヤツじゃない。     俺は眠気を無視しながらも大きめの欠伸をひとつし、ベッドから降りた。      そのままめんどくさいが部屋を出て、廊下の突き当たりにある洗面台に行く。     洗面台の鏡には俺の顔が映る。    襟足が長めの黒い髪は、所々が寝癖で跳ねている。   蛇口を捻り水を流す。      そしてその水で顔を洗う。  冷たい水が俺の頭を冴えらせる。    顔を上げるとクリアブルーの瞳と目が合った。    勿論コレは俺だ。  カラコンでもなんでもなく、正真正銘俺の瞳だ。      遅くなったが、頭の冴えた今、俺の自己紹介とでもいこう。    俺の名前は  緋巳野 色(ヒミノ シキ)  高2の、勿論男だ。    俺は脳内で自己紹介誰に言う出もなくやってみたが、もしも今の脳内自己紹介が口に出てたら......と考えると何とも言えない気持ちになる。      ・・・・・・・・所詮精神病と言うヤツだ。    春に大繁殖をしだすアレだ。   
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