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森というのはとても穏やかに時間が流れる。
それはもう眠くなってしまう程に。
ほら
今だってすぐに意識が飛んでいってしまいそうだ。
地面に葉を一杯に広げて、燦々と降り注ぐ日光を浴びてポカポカする体…。
周りの木々に負けまいと茎を空に向かってピンと伸ばすが、思わず花を下にもたげてしまいそう。
それがいつものこと。
でも、
そんな睡魔が襲う日差しの中、太陽をひたすら見上げていた俺の目の前を異様な何かが通り過ぎていった。
睡魔はどこへやら、なんだなんだと意識を研ぎ澄ましてその姿を追う。
それは、見たこともない、でも何だか親近感を覚える生き物だった。
(蒲公英みたいな色)
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